五藤 博義(ごとう ひろよし)氏のコラム

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五藤 博義氏

東京大学教育学部卒。ベネッセコーポレーションで、教材やデジタルコンテンツの研究開発に携わった後、独立。認知症予防や発達障害児の認知機能の改善について医師や教師等と一緒に研究を行っています。ソーシャルカンファレンス大賞(2011)を受賞。Twitter @gotoledex

第3回:認知症予防と有酸素運動(2013年01月16日)

有酸素運動が認知症を予防するメカニズムは、残念ながらまだ解明されていません。ただ運動が高血圧やコレステロールのレベルを下げ、脳血管の出血を防いでいることは確かで、それは脳血管性認知症の発症を少なくします。また、有酸素運動が、認知症と関係の深い前頭葉や海馬の血流や代謝をよくすること、さらに、アルツハイマー型認知症の原因と考えられる脳内のたんぱく質(βアミロイド)を少なくすることも分かっています。ですから、それほど遠くない時期に解明されると期待しています。

運動習慣のある人とない人で、認知症の発症率を比較した研究のひとつを紹介しましょう。ローリンらは、まったく運動しない人(a群)と、週に3回以上ウォーキングをする人(b群)、週に3回以上、早歩き程度の運動をする人(c群)を比較しました。a群の認知症の発症危険度を1とすると、b群では0.67、c群では運動をしない人の半分、0.5の危険度だったそうです!

ではどうやったら、週に3回の有酸素運動を「続け」られるのでしょうか? 世界有数の老年学シンクタンク、東京都老人総合研究所が考えた「地域型認知症予防プログラム」ウォーキング編から1つヒントを紹介しましょう。

ウォーキングカレンダーの記入例

■累積グラフでやる気が持続

どれだけ運動をしたのか見えれば、張り合いが出ます。図のウォーキングカレンダーは取り組んだ歩数と時間が書き込めます。ポイントは、グラフを累積で記録していくことです。常に増え続ける歩数と時間は励みになります。

最近は、スマホで自動的に歩数が記録されるアプリなどもありますので、東海道を踏破とか、日本一周といった目標を設けて毎週毎月、楽しみながら取り組めます。

他にも、仲間を見つけて集まって、とか、みんなでウォーキングのイベントを、などなど、いろいろな継続のコツがあります。それらの情報は、Webサイトや図書館などで簡単に手に入ります。さっそく今日からウォーキングで、認知症になりにくい脳を作りましょう!

○図
認知症予防ファシリテーター養成教材CD-ROM ウォーキングテキストp14
ウォーキングカレンダー(記入例)

○参考資料
都老研方式:地域型認知症予防プログラム実践ガイド(矢冨直美・宇良千秋、中央法規出版)


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